弊社に所縁のある出来事を、設立以前のものも含めて振り返ります。
この日本出願に基づき、翌年、国際(PCT)出願されました。
山中教授らにより、Oct3/4、Sox2、Klf4およびc-Mycの4因子の導入によりマウス皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)の樹立に成功したことがCell誌に発表されました。
山中教授らにより、Oct3/4、Sox2、Klf4およびc-Mycの4因子の導入によりヒト皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)の樹立に成功したことがCell誌に発表されました。その同じ日に、米国トムソン教授らも、別の方法でヒトiPS細胞の樹立に成功したことを、別の科学誌で発表しました。
iPS細胞関連技術の実用化に向けた産業界への技術移転を促進するため、iPSアカデミアジャパン株式会社が6月25日に設立されました。iPS細胞関連特許の管理・活用を行う事業実施会社として、iPS 細胞研究に係る研究成果の社会還元をミッションに掲げて事業をスタートしました。
この特許をはじめとし、日本では今日までに8件の基本特許が成立しています。海外でも、30を超える国と地域で、iPS細胞の基本特許が成立しています。
株式会社リプロセルと、初めてのライセンス契約を締結しました。この契約以降、国内企業とのライセンス契約は順調に増えていきました。
Cellular Dynamics International社(現FUJIFILM Cellular Dynamics社)と、海外企業として初めてのライセンス契約を締結しました。これを機にES細胞での研究が盛んであった海外企業からも、日本で生まれたiPS細胞技術について高い関心を示される機会が増え、海外企業とのライセンス契約も増加してきました。
特許係争(米国での先発明者認定手続)を回避するために、iPierian社が保有するiPS細胞関連特許(Bayer特許)が京都大学に譲渡されました。その後、当社からiPierian社に、京大特許と共にBayer特許がライセンスされました。
「成熟した細胞を多能性を持つ細胞へと初期化できることの発見」により、ジョン・ガードン卿と共同受賞されました。
京都大学の特許のみならず、他大学や公的研究機関などからの導入特許の取扱いも増えてきました。また、iPS細胞樹立関連特許のほか、分化誘導技術等の応用分野での特許件数が増加し始めました。
特許ライセンス事業以外の細胞販売事業・研究事業等を株式会社iPSポータルに事業譲渡しました。それにより、当社は特許ライセンス事業に特化した会社となりました。
京都大学吉田キャンパス構内にある、国際科学イノベーション棟東館の2階に移転しました。
大学等技術移転促進法に基づき、文部科学大臣および経済産業大臣より事業計画の承認を受けて、承認TLOとなりました。
2017年度より国内アカデミア発明を対象に、特許補助金制度を新たに始めました。
広域型承認TLOとして、ライセンサーの数も増え、取扱い特許出願件数は増加を続けています。
弊社はお陰様で2018年に設立10周年を迎えました。2018年6月現在、iPS細胞技術基本特許及び関連特許に関する実施権許諾先は、国内企業約110社、海外企業約70社の約180社にのぼっており、当社が実施権を保有する特許及び特許出願の導入元は、京都大学を含めて国内外15大学・機関に及んでいます。これもアカデミアおよび産業界の皆様の長きにわたる御理解及び御支援によるものと深く感謝しています。今後もライセンス事業を通じて、iPS細胞等多能性幹細胞の研究成果がより早く、より広く社会に還元されるよう精進いたします。今後ともご指導ご鞭撻の程何卒宜しくお願い申し上げます。